Kindle作家九頭龍一鬼(くずりゅうかずき)の人生と意見

自著の紹介やそのほかいろいろをおとどけする予定です。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ小説を書くのか~小説を書くために生まれたということ

中島敦の「名人伝」という短編を十回は読んだはずだ。 よく「山月記」とともに文庫化されているのですでに瀏覧された読者諸賢もおおいかとおもわれるが此処で梗概を紹介すると『邃古中国にて弓矢の道を窮めんとした男が巍峨たる山嶺に住む師匠のもとで修行し…

落選歴30回以上の愚生による『新人賞落選の苦痛』傾向と対策

輓近、苫米地英人氏の著作を劉覧していたら、『本統にすぐれている人間は、社会的に評価されていなくても、内面では滅茶苦茶に自己肯定感が高い』というような一節に出逢った。 そこで、愚生はこれを『新人賞に落選したときの苦痛への対策』として利用できな…

哲学メモ~ショーペンハウアー~人生の苦しみからいかに解放されるか

輓近、スピノザの解説書を劉覧し、全体をメモしておこうとしたところ、『エチカ』についてはWikipediaでの解説が充実していて、ほとんど、加筆するところがなく、参考になった。 そこで、スピノザに類似するショーペンハウアーの解説書を読了し、おなじくWik…

『永遠平和のために』とアナーキズム~自然状態と戦争

カントの『永遠平和のために』は、曩時に読了したが、あまりに難解なので、無知蒙昧なる愚生には充分に理解できなかった。 といえども、輓近の世界情勢を見霽かして、『いまこそ再読しなければならない』と愚考し、まず、解説書をひもといてみることにした。…

『オデュッセイア』は異世界ものである~異世界ものから第二の純文学へ

愚生の筆名『九頭龍一鬼』に似ているということで、興味をもち、九頭七尾氏の異世界転生ものを読んでみた。 SF作家をこころざしているくせに、普段は、純文学ばかり読んでいる愚生にとって、異世界ものを劉覧するのもはじめてであった。 今回の読書体験は、…

あなたは核のボタンをおすだろうか~ある悪夢の記録

今日、悪夢をみた。 これは、その悪夢の記録である。 まず読者諸賢にことわっておきたいことは、愚生は長年の反核派であることである。 つまり、この悪夢のなかでの『判断』は、『夢』のなかで、根源的な慾望に抑止がきかなかっただけなのかもしれないという…

死後の科学〜『窮極の問い』と死後の世界

疫病の瀰漫、海外での紛争、有名政治家の暗殺などと、黯黮たる気分になるような輓近である。 そこで、愚生はもはや、現世にはあまり興味がもてなくなり、ひまがあれば、『死後の世界は科学的に証明できるか』ということばかりかんがえるようになった。 ゲー…

なぜ自殺してはいけないのか~現代の奴隷制と自殺願望

輓近、自殺情報系のYouTubeを劉覧していたら、元基督教徒であった配信者が『なぜ基督教で自殺が赦されないかというと、大事な収入源である奴隷が自殺しないため』という考察をしており、愚生は『なるほど』とおもった。前述した『すべての道徳は支配階級のた…

なぜ生きるのか~道徳を棄てよ!

われわれはなぜ生きるのか。 こたえはかんたんである。『金持ちがもっと美味しいものを喰らい、金持ちがもっと美人とセックスし、金持ちがもっと尊敬されるため』にわれわれは生きているのである。 われわれがどれだけ勤勉に――勤勉どころか場合によっては物…

文學はほんとうに死んだのか。~『純文學はオワコン』論に反論する。

愚生は、本随筆集の『文學は死んだのか。』において「文學は死んでいる」と書き、ネット書店の丸山健二著『真文学の夜明け』のレビューで「文學は生きている」と書くという、自家撞着した態度をとってしまったが、これらは、愚生の私淑する丸山健二が提唱し…

九頭龍一鬼(誰)の不撓不屈の新人賞応募歴、落選歴、通過歴。

へげぞぞ様の近況ノートにあった「おれの創作記録のまとめ」が非常に興味ぶかかったので、愚生も同様に創作記録のまとめをつくってみました。元来、西暦をふくめて執筆したものですが、Wordの機能上、西暦表記が滅茶苦茶になってしまったので、当時の年齢だ…

ニーチェの君主および奴隷道徳とアウフヘーベン

ニーチェの話題だが、まずヘーゲルの弁証法について髣髴したい。 ヘーゲルはあのいかつい風丰からは想像しがたいが、本気で哲学により世界平和を現実せんとした人間主義者であった。恁麼の哲学の方法というのが弁証法であり、弁証法の中核をなすアウフヘーベ…

愚生が勝手にえらぶ『人類史上最高の藝術』

かつて、丸谷才一をはじめ、各界の知識人をあつめて『千年紀最高の作品をえらぼう』という企画がなされました。文学のみならず、絵画、映画、建築まで、日本の知性を総結集して人類千年史をふりかえったのです。愚生は曩時より、本作を読みたかったのですが…

夢と言語と無意識~『引き寄せの法則』から爆走する犬まで

前回、手相を話題にしたので、スピリチュアル関聯で『引き寄せの法則』について書いてみたいとおもった。愚生は『引き寄せの法則』については懐疑的なのだが、一冊だけ、法則の科學的論拠を提示している書籍があったので、当仮説の検証をしようとおもったの…

手相考~うらないの科學的論拠

輓近、愚生は煙草の喫いすぎのためか、脳髄が朦朧としており、まともに小説を書ける状態ではなくなってきている。煙草のせいというよりは、加齢による影響のほうがおおきいかもしれない。人間の知能指数は二十四歳をピークとして偏差が修正され、漸次、平均…

現代の人気作家を採点する~「現代版文壇諸家価値調査表」

直木賞で有名なる直木三十五は、「文藝春秋」一九二四年一一月号にて、「文壇諸家価値調査表」なる企画を断行した。 芥川龍之介、泉鏡花、川端康成、谷崎潤一郎など、爾時の人気作家を、学殖(学力、知識)、天分(資質、才能)、修養(人格)、度胸、風采(…

『地下室の手記』再読~バフチンの傍証として

現在、バフチンの名著『ドストエフスキーの詩学』を読んでおり、バフチンの怜悧さに驚嘆しながらも、『本統に此処まで上手くドストエフスキーを理論化できるのだろうか』という疑問に憑依された。 現在、読んでいるかぎりにおいて、『ドストエフスキーの詩学…

文學は死んだのか。~『文學は死んだ』は死んだ

サブカルチャー評論界を中枢として、『文學は死んだ』というような論評がよくなされる。文學はもう売れないから駄目だ(抑〻だが、芥川の時代から『羅生門』が二〇〇〇部売れてベストセラーだった)とか、文學はもうこころに響かないから駄目だとか、いろい…

愚生の一人称はなぜ『愚生』なのか

愚生の『愚生』という一人称に違和感をおぼえるかたもおおいだろう。 くだらないはなしかもしれないが、一応、ここで説明しておきたいとおもう(統合失調症の治療には執筆などの創作活動が有効だと識ったので、無駄話であっても積極的に書いてみたい)。 現…

小説家文章力ランキング~世阿弥の九位と世界文學

個人的に、世阿弥が藝のレベルを九段階に分類した『九位』という概念に興味をもっていた。これで、文學作品も評価できるのではないかとおもったのである。九位は、『論外』とされる鹿鉛風から、強鹿風、強細風、浅文風、広精風、正花風、閑花風、寵深花風、…

新人賞の不都合な真実③~量子論から見る『なぜプロは凡人ばかりなのか』

量子脳理論などの特殊な場合をのぞけば、脳内の神経伝達物質の発火をふくめ、すべての物理現象は、素粒子全軆における波動関数の聚斂できまる。 膜宇宙の分岐は、ディラック方程式における〈ブラ|ケット〉記法によって、〈ブラ|ベクトルと|ケット〉ベクト…

新人賞の不都合な真実②~プロとは何者なのか

前回に揮毫したとおり、新人賞の予選通過率、受賞率は見事にパレートの法則に支配されている。 畢竟、たんなる確率の問題なのである。 では、プロとアマチュアを乖離させるものとはなんなのか。 プロは、一回や二回の応募で新人文学賞を受賞したというパター…

新人賞の不都合な真実①~パレートの法則から確率論で見てみる

愚生はいままで、30回已上、新人賞に応募してきた。 落選するたびに、各作品の分析をしてきたが、全軆的に統計をとっているうちに、面白いことに気付いた。 パレートの法則という、ビジネスマンの人口に膾炙された法則がある。 世間の物事のほとんどは、80:…

九頭龍一鬼(誰)の死亡記事

作家を中心として、存命中の有名人たちが、自分の最期を想像してえがいた随筆集『私の死亡記事』(文春文庫)が絶版で讀めないので(Kindle化をおねがいしていますが)自分で勝手に自分の死亡記事を書いてあそんでみました。 ◇ 『九頭龍一鬼氏死去』 昨日、…

人生で血となり肉となった百冊の文學たち(コメント付き)

独断と偏見による傑作文學百冊。 PC内で随時更新している個人的傑作文學の一覧表を引用しました。順位表ではなく傑作群を題名の五十音順で記述したものです。題名と著者名を引用するだけではおもしろくなく失礼ですので、一作ごとに簡単なコメントをつけます…

九頭龍一鬼(誰)に100の質問

以前にネット上で流行った「~に100の質問」の小説書きバージョン「小説書きに100の質問」を発見したので、自分も挑戦してみました。100の質問自軆が文學作品と豪語できればよいのでしょうが、たいした文章にはなっていません。 ◇ + 小説書きに100の質問 + 1…