『批判されるひと』
批判されるひとはすばらしい。
まず、
批判されるだけの存在であることがすばらしい。
なにかを殴ろうとしても、
なにかが存在しなければ殴ることはできない。
存在がおおきいほどに、
そのひとはおおくのものに衝突する。
問題は、
批判されるほどにわれわれは成長することである。
仏陀をめざす僧侶たちを菩薩というが、
完璧な仏陀になるために、
菩薩はじぶんの欠点をなおさなければならない。
じぶんでは気付けない欠点に気付かせてくれるのが、
他者からの批判である。
他者からの批判をひとつずつ甘受してゆくと、
最終的に菩薩は仏陀になる。
われわれもおなじだ。
もちろん、
われわれは批判してくれたひとに感謝せざるをえない。
だから、
批判するひともすばらしい。